メダカ飼育を成功させるためには、水槽内の環境を整えることが重要です。その中でも水草も重要でメダカの生育や繁殖に大きな影響を与えます。今回はメダカ飼育におすすめの水草としてカボンバを紹介します。
カボンバは、美しい緑色の葉が特徴で、初心者から上級者まで幅広く愛用されています。しかし一方で管理の難しさを指摘する声もあります。本記事では、カボンバの特徴、メリット・デメリットを詳しく解説し、メダカ飼育を成功させる手助けになればと思います。
項目 | 詳細 |
---|---|
適正水温 | 15~28℃ |
適正pH | 5.5~7.0(弱酸性~中性) |
光量 | 中~強 |
二酸化炭素添加 | 推奨(なしでも可) |
成長速度 | 速い |
底砂(底床) | ソイル、大磯砂がオススメ |
メダカとの相性 | 良好(隠れ家や産卵場所に良い) |
金魚の飼育でもよく使われることからアナカリス、マツモとともに「金魚藻」とも呼ばれています。
水温やpHなど基本的な特徴は他の水草と大差ありません。定番のアナカリスやマツモと同等に広く使われている水草なので、扱いもそこまで難しくありません。ただし、光量でいうと光をしっかり確保しないと枯れやすいので、照明は光量が強めもしくは調整ができたり複数使うのが手です。
カボンバと似た水草で「マツモ」があります。葉の形などがそっくりですが、カボンバはマツモと比べると茎や葉が太くしっかりしている感じです。
マツモは水面に浮かべるだけで勝手に育ったり増えたりするなど扱いが非常に楽ですが、カボンバは浮かせると逆育ちづらいです。カボンバは底砂に植え付けて根を張らないと育ちにくい水草なので、おもりなどを使って確実に植え付けましょう。
僕の水槽では田砂で育てていますが粒が細かくカボンバが抜けやすいので、ソイルや大磯砂といった粒が多めなものの方が抜けにくくていいですね。
特にヤマトヌマエビは底砂をほじくり返してその拍子に植えていた水草が抜けてしまうこともあるので注意しましょう。
カボンバは他の水草と比べると少し強めの光が必要です。たとえばアヌビアスナナは日陰や弱めの光でも成長できるなど種類によっては光がそこまで重要ではない水草もあります。ただ、カボンバはそれなりの光を必要とするため日陰では育ちませんし、照明を使うにしても少し強めの光が必要になります。
カボンバに限らないですが、特に輸入物の水草は検疫の関係上で農薬がついていることが多いです。この農薬、メダカに対しては特に害はないのですがエビなどの甲殻類には有害でエビが死んでしまうこともあります。僕も実際にエビのいる水槽に間違って農薬付きの水草を入れたら30匹くらいいたエビがほぼ全滅したことがありました。
農薬は水で洗い流すだけでも多少は落ちますが、「水草その前に」などの薬品を使って落とすほうが確実です。飼育しているのがメダカのみなら気にする必要はないですが、ミナミヌマエビやヤマトヌマエビといったエビ類も飼っている場合は必ず農薬を落としましょう。
カボンバは光合成を活発に行うために中~高程度の光量を必要とします。光量が不足すると成長が鈍化し葉が黄化したり、最悪の場合、枯れてしまうことがあります。特に室内水槽では自然光が限られるため、適切な照明設備の導入が推奨されます。高光量のLEDライトなどを使用することで、カボンバの健康的な成長をサポートできます。光量が強ければ、二酸化炭素の添加はなくともある程度きれいに育てることが可能です
カボンバの葉は繊細で、移動や掃除の際にちぎれやすい特性があります。また成長が早いため、定期的なトリミングが必要です。これらのメンテナンスを怠ると、水槽内にちぎれた葉が散乱、腐敗し水質悪化の原因となることもあります。
そのため、日常的な観察と適切なケアが求められます。頻繁なメンテナンスが難しい場合は、他の管理が容易な水草を検討することも一つの選択肢です。
カボンバはメダカ飼育に適した美しい水草で、水槽の景観向上や水質改善に役立ちます。ただし適切な光量や水質管理が必要であり、メンテナンスを怠ると枯れやすい点には注意が必要です。
水槽の見た目を良くし、メダカの生活環境を整えたい方には最適な水草なので、適切な管理を行いながら、ぜひ取り入れてみてください!
これから冬を迎えるにあたって室内でメダカ飼育をしている人は何か準備はされていますか?
多くの生き物は冬になると冬眠や越冬という言葉もあるように冬は活動をしなくなったり活動が鈍ることが多いですが、メダカも冬は活動が鈍る傾向があります。
特に冬の屋外だとほとんど動かなくなりますが、室内は屋外と比べれば極端に水温が下がることも少ないためある程度の活動はしますし、ヒーターなどで水温を維持すれば冬でも産卵・繁殖は可能です。今回の記事はこれから迎える冬の室内のメダカ飼育についてまとめました。
室内、特にエアコンがある程度効くような部屋だと極端に室温・水温が下がることはありません。うちの部屋の水槽(茨城県水戸市)だと真冬の時期でも水温が10℃は切らないくらいです。夏と比べると多少活動は鈍りますが、ぱっと見はそこまで大きな変化はない印象です。
エアコンがなかったり暖房器具を使わないような部屋だと水温が10℃以下になることもあります。
屋外だと気温と水温は連動するため、たとえば関東地方だと真冬には水温が0度まで下がり、水面が凍ることもあります。
特にこだわりがなければ室内のメダカ飼育は、冬でもさほど変わらず行えます。
水温が下がってくるとメダカはだんだんと活動も鈍くなります。
活動が鈍くなるとその分体力も使わなくなるので、必要なエサの量も減ります。そのため夏に比べると冬はエサは少なめの方がいいです。夏と同じ感覚でエサを与えると食べ残しも発生しますからね。
具体的なエサの回数は各家庭・人によりますが、うちの場合は夏は1日3回か4回エサを与えているところを冬は1日2回に抑えています。
細かいこだわりとしては、冬は産卵を促す高栄養なエサではなく消化の良いタイプのエサをメインで与えてます。たとえば「メダカの舞メンテナンス」は消化のいいエサなので、そこまで活動しない時期に向いてます。
逆に繁殖向けの高栄養なエサは、消化が追いつかず胃腸に負担をかけるの可能性もあります。
そして冬になり活動が鈍ると産卵の回数も減り、基本的に加温などしない限りは冬は産卵しなくなることが多いです。
うちの水槽の場合だと例年10月~11月前半までは産卵が見られて、12月になると産卵は見られなくなる傾向です。冬のメダカの室内飼育では、秋に孵化した稚魚を成育させることになりますね。
産卵・繁殖は秋までに済ませておこう。
普通に水温が下がった状態で飼育していると冬はメダカの産卵はほとんど見られません。
そうはいっても「年中メダカを繁殖させたい!」という人もいるかもしれません。そんな方は水槽のヒーターを使えば水温を一定以上(23~26℃以上)に保てるので、メダカも活動的になり産卵もしやすくなります。
メダカの産卵にある程度の高さの水温は必須です。
冬の室内での越冬自体は特に問題なくできます。ただしメダカの活動が多少鈍る点ではえさの量を調整するなど細かいところへの配慮も必要になってきます。
また、産卵も特にこだわりがなければ春まで産卵を待つのも手ですし、逆に年中産卵させたい場合はヒーターで水温を保った方がいいです。
室内なので極端に水温が下がることは少ないですが、それでも冬はメダカ飼育に関して意外と気をつかうポイントもあります。ぜひ大切に育てて春を迎えられるようにしましょう。
]]>9月になり世間一般では季節は秋になりましたね。
メダカをうまく飼育している方は特に夏の間はメダカの産卵・繁殖も見られたと思いますが、秋になってもメダカは産卵します。ただ秋の後半になり冬が近づくにつれて気温と水温が下がりメダカ飼育の環境も変わってきます。
水温が下がることでメダカの産卵は減りますが、水温次第ではまだ産卵も見られます。ただし特に屋外だとあまり産卵や負荷が遅いと稚魚が冬を乗り切れない可能性も高く、産卵のタイミングにも少し気をつかう場面も出てきます。
今回の記事では特に冬を見据えた秋のメダカの産卵について解説しました。
メダカが産卵する条件は諸説ありますが主に
が挙げられます。秋は気温が下がり、日照時間も減っていきますが9月中、地域によっては10月まではこの条件を満たす場所も多いため秋も夏ほどではないにしてもメダカの産卵は見られます。
室内だと水温など環境の調整もしやすいのでメダカの産卵も促しやすいです。うちの水槽では例年11月まで産卵が見られます。
秋もメダカは産卵しますが、稚魚が大人くらい大きくなるまでに最低でも2,3か月はかかります。その期間を考えると秋のメダカの繁殖では、9月中には孵化するのが望ましいです。
屋外でビオトープなどの形でメダカ飼育をされている方は『水温』に注意しましょう。メダカは水温が一定以下(20℃以下)になると産卵が減ったり産卵をしなくなりますが、屋外は気温の上下が激しく特に10月以降は水温が20℃を下回ることも多いです。
また、10月以降は仮に稚魚は孵化したとしてもそれ以降の寒さに稚魚が耐えられない可能性も高いです。
メダカの稚魚はけっこうデリケートなんです。
そのため大人になる前に死んでしまう可能性も高いため、9月など秋の早いうちに孵化できるようにして、それ以降に孵化した稚魚は室内で飼育するのが望ましいです。
屋外は水温の上下が激しいですが、室内に水槽は屋外と比べると水温を一定にキープしやすいです。そのため屋外では難しい秋後半~冬におけるメダカの稚魚の飼育も室内ならまだできます。
秋から冬にかけて産卵、孵化しても室内なら水温が極端に下がることは少ないので時期を問わず稚魚を育てることもできます。
12月~1月の一番寒い時期はさすがに室内でも産卵が止まることもありますが、稚魚の育成はさほど問題ない印象です。
冬の屋外ビオトープは例えば茨城県(関東地方)だと寒いときは水面が凍ることはあります。水温0℃まで下がることもありますからね。
水温は気温と連動するので完全にコントロールするのが難しいですが、ある程度水温が下がるのを和らげることは可能で以下の2つがポイントになります。
水が凍ったからといってメダカが必ずしも死ぬわけではないですがメダカにとって過酷な環境ではあるので、できるだけ凍りにくい環境づくりは大事です。
室内は屋外と比べれば水温も一定以上に保ちやすいので、屋外ほど何かをしなければいけないというのはありません。特にエアコンがきくような部屋であれば水温が極端に下がることも少ないです。
ただ産卵にこだわる場合、産卵の条件である水温20℃を切ることはあります。もし冬でもメダカに散乱させたい場合は、ヒーターを導入して水温を保つようにしましょう。
メダカは秋も産卵はしますが、冬のことまで考えると少し気をつかうポイントも出てきます。特に屋外の飼育だと水温もだんだん下がりやすくなるため稚魚も育ちにくくなります。
一方で室内ならエアコンが聞くなどで屋外ほど水温が極端に下がることも少ないので年間通しての産卵、繁殖も可能です。
秋でも環境ややり方次第ではメダカの繁殖は可能です。夏より少し気をつかいつつメダカの産卵や稚魚をしっかり管理しましょう。
]]>僕のメダカ水槽ではメダカのほかにミナミヌマエビやヤマトヌマエビ、タニシも一緒に飼育しているのですが、先日がヤマトヌマエビがタニシの稚貝を食べているのを発見しました。
一緒に飼育している生体間での捕食ということでショックでしたが、生体の相性によっては捕食などのリスクも頭に入れなければいけないと改めて実感しました。
うちで使っているメインの水槽はメダカを軸にミナミヌマエビ、ヤマトヌマエビ、タニシ(ヒメタニシ)も混泳しています。
先日ヤマトヌマエビが何か持ってるなと思いながらよく見るとタニシを持っていました。生まれたばかりの稚貝より一回りくらい大きかったですが、ヤマトヌマエビが難なく持って泳いでいました。
実はタニシの稚貝が10匹以上生まれていたのですが、2,3週間~1か月たつと稚貝の貝殻だけがあちこちで見られました。水質の悪化も考えられましたがその割には元気な個体もいたので、これもヤマトヌマエビのしわざの可能性が高いですね。
ヤマトヌマエビはメダカと相性が良くコケ取りの効果もある点では有能ですが、他の生体の捕食の可能性がある点は注意です。
ミナミヌマエビはヤマトヌマエビより一回り小さいエビですが、ミナミヌマエビはタニシなど他の生体を捕食することはほとんどありません。(食べるとしても死んだ個体)
生体間の捕食が心配な方はヤマトヌマエビではなくミナミヌマエビがオススメです。
生体の捕食を防ぐ点では水草や流木などを入れて隠れ場所を確保するのは必須です。
水槽が一つしか用意できない場合は水草や流木などで隠れ場所を多めに作ることで、ヤマトヌマエビがタニシを食べる確率を減らせます。
水草は光合成による酸素の供給や水質浄化の効果もあるため隠れ場所以前にほぼ必須です。
水草などで隠れ場所を作るのは有効と言いつつ100%安全が保障できるとも言い切れません。そのため確実にタニシを育てるためには、特に稚貝の段階ではヤマトヌマエビとタニシは別の水槽で飼育することをオススメします。
大人のタニシであればヤマトヌマエビに食べられることはほとんどないので、大丈夫です。
タニシの大きさの目安は難しいですが、個人的にはビー玉くらいのサイズになれば大丈夫だと考えています。
タニシの稚貝はヤマトヌマエビでも簡単に持ち去ることができてしまうので捕食に注意しましょう。タニシは繁殖力がちょうど良く、水質浄化の効果もあるため、メダカ飼育に出てくる貝類の中でもかなり有能です。
タニシとヤマトヌマエビは場合によっては別々に飼育したほうが安全かもしれません。
]]>夏の暑い日が続いていますが、外のメダカビオトープは無事ですか?
水温も上がっていることだと思いますが、高水温な状態が続くといかにタフなメダカでも元気がなくなったり死んでしまう可能性もあります。特にミナミヌマエビなどのエビ類は高水温に弱いのでなおさらですね。
過度な水温上昇対策をする必要がありますが、その中でお手軽にできてオススメなのが「すだれ」の導入。
実際に使ってみて水温が極端に上がるのを防げたり、水温上昇を防ぐ以外にもメリットがあるので解説しました。
夏のメダカビオトープはとにかく水温がすぐに上がってしまい、日当たりが良いところだと水温が40℃に達することもあります。もはやお風呂のぬるま湯からちょっと熱いくらいです。
メダカは数ある観賞魚の中ではかなりタフな方で40℃くらいの水温でもすぐに死ぬことはないです。とはいえ、さすが40℃くらいともなると元気がなくなるしそれが続けばさすがに死んでしまいます。
さらにミナミヌマエビなどのエビ類は高水温に弱く、30℃を超えたあたりでも死ぬ確率がかなり上がります。
生体を確実に生かすためにも夏の水温上昇の対策はちゃんとやらなければいけません。
すだれの目的は日除けであることが多く、日光を遮れさえすればいいのでとりあえず水槽(ビオトープ)に立てかけておくだけでも効果はあります。
ただ見栄えや風通しが気になったり、風が強いとすだれが飛ばされてしまうこともあります。そこが気になる場合は支柱と麻ヒモを使うと見栄えが良くなる感じもします。
園芸用の支柱に麻ヒモなどを使ってすだれを結び付ければ風に飛ばされずに済みますし、安定して日除けの効果があるので良いですね。
今回の記事では「すだれ」として紹介していますが、似たようなもので「よしず」というものもあります。どちらも外見は材料などは同じで違いは素材の向きです。
すだれとよしずの違いは、
【素材の向き】と【使う場所】と【設置方法】です。すだれ・・・素材がヨコ向き・屋内や軒下で吊るして使います。
よしず・・・素材がタテ向き・屋外や軒先で立てかけて使います。
吊るすか立てかけるかといった用途は微妙に違いますが、どちらも「日除け」に使える点では同じなのでメダカビオトープの日除けの効果はどちらも大差ありません。当記事も「すだれ」で表現していますがよしずでも同じことが言えます。
たとえば吊るすような場所や設備なければ、よしずでも良いです。
すだれを導入した一番の目的は日除けの効果によって過度な水温の上昇を防ぐこと。すだれがない状態だと特に昼間はメダカビオトープに日光がすごく当たり、ピーク時には水温が40℃近くに達することがありました。
それがすだれを導入すると朝と夕方はメダカビオトープに日が当たりますが、一番気温が高い昼間は日光を防いでくれるため、極端に水温が挙がることも少なくなり昼間でも高くて30℃を少し超える程度まで水温上昇を抑えることができました。
ピーク時の水温(昼頃) | |
すだれなし | 35~38℃ |
すだれあり | 30℃前後 |
メダカは水温40℃くらいでもギリギリ耐えるとは言われていますが、高水温だと元気がなくなる印象はあります。
メダカビオトープにおける問題点の一つが「天敵の侵入」。例えばトンボの幼虫のヤゴはメダカの天敵で侵入するとビオトープ内のメダカを食べつくしてしまうこともあります。
ビオトープをすだれで仕切ったりなどすることによって天敵の侵入をある程度防ぐことにもつながります。
とはいえ、完全に侵入を防ぐとも言い切れないので日ごろからビオトープ内を観察してヤゴなどが侵入してないかは要確認ですね。
すだれなどの日除けがなく日光がガンガン当たる環境だとビオトープ内はアオミドロなどの藻が発生しやすくなります。特にアオミドロは日当たりがよければどんどん増えてビオトープを覆いつくす勢いで増えますし、増えたアオミドロにメダカが絡まって動けなくなり、死んでしまうこともあります。
特にメダカの稚魚にとっては死活問題なので、すだれなどで日よけをすることで藻の発生を抑えることも必要になってきます。
すだれがなかったころはアオミドロを毎日のようにとっていましたが、すだれを導入してからはアオミドロをとる頻度も減った気はします。
夏から秋にかけてはゲリラ豪雨や台風などで大雨が降ることもあります。その際、メダカビオトープに大量の雨水が入ると水があふれて水と一緒にメダカも流出してしまうこともあります。
軒下などビオトープの設置場所も大事ですが、すだれで遮ることで雨水の侵入をある程度防ぐことができます。
軒下など雨水が直接入らない場所にメダカビオトープがあるとより良いですね。
そんなすだれですが、Amazonなどのネットはもちろんホームセンターから100均までいろんなところで購入できます。特にこだわりがなければ100均のものでも今回の記事で解説したような効果は得られます。
ただ100均のすだれはサイズが小さいものが多いので、確実に日除けをしたいという方は少し大きめのすだれが良いですね。
すだれを導入することでメダカビオトープの水温が極端に上がることを防げます。加えて天敵の侵入を防いだり、藻の発生の抑制など水温以外のメリットもあります。
メダカビオトープはあるけど夏の暑さが心配な方は、すだれを導入してメダカに少しでも快適な環境にしましょう。
ヤマトヌマエビはメダカと相性が良くメダカと混泳できる生体としてもよく紹介されています。さらにコケを取る、食べる効果もあるためコケ取り生体としてもよく飼われています。
ただそんなヤマトヌマエビもメダカやミナミヌマエビなどと混泳させる場合にはちょっとした注意点もあります。
メダカが元気であればヤマトヌマエビに食べられることはほとんどありません。元気なメダカならヤマトヌマエビも追いつけませんからね。
ヤマトヌマエビはメダカとの混泳でも相性がいい部類で、メダカが食べ残したエサや水槽内に発生したコケを食べてくれるなどの役割を果たしてくれます。ミナミヌマエビもエサの残りやコケは食べてくれますが、体の大きさを考えるとヤマトヌマエビの方が効果は大きいです。
エビや貝類など他の生態でも元気であればヤマトヌマエビが積極的に捕食することはほとんどありません。
元気なメダカであればヤマトヌマエビに食べられることはほとんどないですが、あるとすればメダカが弱っているとき。
弱ったメダカは上記の動画のように少し変な泳ぎ方をしたり、背骨が折れ曲がる、ヒレが弱々しくなるなどの特徴があります。この状態は回復が困難なため多くの場合は数日~半月くらいで死んでしまいます。
そして死んだメダカや弱ったメダカをヤマトヌマエビが捕まえて食べることはあります。
メダカの死体を水槽に放置すると腐敗して水質が悪化しやすくなるという意見もありますが、ある程度大きい水槽なら微々たるものなのでそれ以上にエビなどのエサになるというメリットもあります。
逆に金魚鉢など小さめの水槽だと水質の悪化も早まるので死体は回収したほうが良いですね。
メダカの死体はエビなどの食いつきがよければ1日くらいで骨を残すのみとなります。
同じエビ類のミナミヌマエビもヤマトヌマエビに食べられることがあります。メダカと同じく元気であれば食べられることはないですが、元気が無かったり死んだときにヤマトヌマエビに食べられることはあります。
上記の動画も弱って死にかけていた状態のミナミヌマエビがヤマトヌマエビに捕まり連れ去られ数分後には動画のように食べられていました。
ちなみにうちの水槽では未確認ですが、他のメダカ系のブログなどよるとヤマトヌマエビがミナミヌマエビの稚エビを食べてしまうこともあるそうです。ミナミヌマエビを飼っていて抱卵、孵化をするのにミナミヌマエビの数が増えない場合は食べられていることを疑ってもいいかもしれません。
その際、水草や流木を入れると稚エビの隠れ場所にもなるので、確実にミナミヌマエビを増やしたい方は水草や流木で隠れ場所を確保しておきましょう。
意外ですがタニシも注意した方がいいです。特に生まれたばかりの稚貝。
ヒメタニシの稚貝は生まれた直後は2,3㎜くらいと非常に小さく、慣れないとぱっと見では底砂に紛れて見つけづらいくらいです。
このようにひっくり返っているタニシの稚貝をヤマトヌマエビが持っていて食べてしまうこともあります。そして後で中身が食べられて貝だけになったタニシの稚貝が見つかります。
タニシを繁殖させたい方は稚貝の動きなどにも注意を払ったり、タニシの稚貝とヤマトヌマエビは別々にするなどの対策が必要です。
メダカやミナミヌマエビはタニシの稚貝に対して特に害はないようです。
水草は種類はそこまでこだわらなくても多くの水草が隠れ場所として有効ですが、特にアナカリスやマツモは育てやすい点でもオススメです。
以下の記事でオススメの水草を紹介しています。
さらに隠れ場所という点で流木も有効です。流木は隠れ場所もそうですが、水槽内のデザイン・見た目にこだわりたい人にもオススメです。
流木はそのまま置くのも良いですが、ウィローモスを巻き付けて活着させると見た目もいい感じになります。
ヤマトヌマエビが他の生態を捕食するのを防ぐ手段としてエビ用のエサを与えるのも有効です。ヤマトヌマエビはエサを与えなくてもメダカのエサの食べ残しや水槽内に発生したコケを食べるため、エサを与えなくても生きることはできます。
ただ、他の生体の捕食を防ぐ意味ではエビ用のエサも与えることで気を引くこともできます。
ヤマトヌマエビはミナミヌマエビと比べると肉食性が少し強いため弱っている生体を襲って食べることは稀ですがあります。
元気な生体であれば襲われることはほとんどないですが、確実にヤマトヌマエビの捕食を防ぎたい方は水草や流木などによる隠れ場所の確保など何らかの対策をしておきましょう。
]]>みなさんは水草や水槽の景観にこだわりってありますか?
水草も単に育てるだけならそこまで難しくないですが、こだわりだすと意外とコツなども多かったりします。特にメダカ飼育などアクアリウム界隈で憧れる人も多いものの一つが「緑のじゅうたん」と呼ばれる状態。
これを実現するには水草を選んだり、育て方も気をつかうポイントがあります。
今回は「ニューラージパールグラス」を用いて育て方や緑のじゅうたんを作るコツなどを解説しました。
アナカリスなど多くの水草は上に向かって伸びていきますが、ニューラージパールグラスは横に匍匐する形で伸びていくのが特徴です。そのため上手く育つと地面を覆いつくして『緑のじゅうたん』という形を作ることができます。
水中で植物が一面に育った“緑のじゅうたん”は、
ビオトープやアクアリウムにおいて今や憧れの存在となっています。しかし、びっしりと隙間のないじゅうたん状に育てるには、
時間がかかりそうだし、なんとなく難しそう…という声も少なくありません。今回、杜若園芸がおすすめするのが「ニューラージパールグラス」という水生植物です。
緑のじゅうたんビオトープキット – 信楽焼陶器鉢
やわらかいライトグリーンが見た目にもさわやかで、
丸い葉が密に育つ様子が可愛らしいです。
ある意味、緑のじゅうたんを作れると一人前かもしれませんね。
メダカ飼育などアクアリウム界隈では『緑のじゅうたん』というワードがあります。水草によっては地を這う(匍匐)するように伸びていく水草がありますが、水草で地面を覆いつくしたような状態を緑のじゅうたんと呼びます。緑のじゅうたんの状態になると見た目が非常にキレイで、メダカなどを飼育している人の中では水槽のレイアウトとしても憧れのものとなっています。
土は赤玉土を用いてニューラージパールグラスを植えました。
そのまま水槽内へ入れました。勢いよく入れるとニューラージパールグラスが飛び出してしまうので慎重に入れましょう。あとはエビなどの生態がいじらないかを観察しつつ成長するのを待ちます。
小型の鉢ですが鉢の土の表面はニューラージパールグラスが埋め尽くしました。面積は小さいですが緑のじゅうたんの状態にはなりました。赤玉土にも完全に根付いている状態なので簡単には抜けなくなっています。
同じく赤玉土を用いて少し大きめの鉢にニューラージパールグラスを植えました。こちらは最初の3,4か月ほど水槽に入れていましたが、コケが発生したり水槽のスペースをかなりとったので、途中からは水槽から出して観葉植物と同じ形で育てました。
乾燥に弱いため水を切らさないよう毎日水やりはしました。
こちらも春になるころには緑のじゅうたんの形がだいぶできてきました。
水草の成長において照明(光)は欠かせないですが、ニューラージパールグラスは特にしっかり光を当てることが要求されます。
アヌビアスナナやマツモなど光が弱かったり多少薄暗くても成長する水草もありますが、ニューラージパールグラスは他の水草よりは光をたくさん必要とするため、明るさや照明を当てる時間はしっかり確保する必要があります。ニューラージパールグラスを導入する場合は、照明も少しスペックが高めなど全体的にしっかりした照明が必要です。
ニューラージパールグラスを水槽内で育てて思ったのが、他の水草と比べてコケが付きやすいと感じました。同じ水槽にウィローモスやアナカリス、スクリューバリスネリアも入れておりどの水草もコケはつきますが、ニューラージパールグラスは特にコケが多かった感じはします。
ついた水草を無理に取り除こうとすると、土からニューラージパールグラスがはがれてしまうため水質の管理や石巻貝やヤマトヌマエビなどコケ取りの生体の導入も必要ですね。
ニューラージパールグラスは特に植えた直後は根が底砂に根付いているわけではないのでちょっとした衝撃などで抜けてしまうことがあります。特にエビやドジョウは水槽の底で活動することが多く植えたばかりの水草をいじくることも多いです。
エビの中でもミナミヌマエビは小さいため水草を動かすほどの力はないですが、ヤマトヌマエビはミナミヌマエビより一回り大きく水草をほじくり出すくらいのパワーもあるため注意が必要です。
必須ではないですが二酸化炭素を添加するとより成長します。ただ本格的にやろうとするとボンベなど必要なものも増えるため、二酸化炭素添加は基本上級者向けですね。
ニューラージパールグラスはもちろん、アナカリスやマツモなどメダカ飼育で定番の水草であれば二酸化炭素がなくても育つのでこだわりがなければ特に気にする必要はないです。
二酸化炭素を添加することで光合成が促進され水草の成長にもつながります。グロッソスティグマなど一部の水草は二酸化炭素が必須です。
二酸化炭素添加用のボンベなどを使うと手間ですが、タブレットで二酸化炭素を添加させる商品もあるのでそれだと手軽に二酸化炭素を添加できます。僕も使ったことがありますが、水槽内にただ置くだけなので楽です。
ニューラージパールグラスはメダカ飼育定番のアナカリスやマツモと比べると初心者向けというよりは中級者向けっぽいところもあります。ただ照明など気を付けるべきポイントさえ押さえれば意外と育成は難しくありません。
特に水槽の景観にもこだわりたい方はぜひニューラージパールグラスを導入してみましょう!
メダカに合う他の水草は以下の記事で紹介しています。
先日ヒメタニシを2匹、オスメスのペアで購入、メダカ水槽に導入しました。
それが数日後に水槽を見るといつの間にか稚貝3匹生まれていて、全部で5匹になっていました。タニシって実は簡単に増えるんです。
今回はヒメタニシの繁殖やヒメタニシの稚貝について解説しました。
先日ヒメタニシをオスメスで2匹購入したのですが、2,3日たったらタニシの稚貝が3匹生まれていて、数日後にはさらに2匹生まれてトータルで5匹の稚貝が生まれていました。
数年前にも同じ形でヒメタニシを導入したときも、導入後数日で稚貝がいつのまにかいたので、オスメスがそろっていれば割と増やしやすいみたいです。
タニシが食べるのは水中の植物プランクトンや藻、生体の死体、エサの食べ残しなど意外と食べる幅は広いです。この点はミナミヌマエビやヤマトヌマエビも近いですね。
そのためタニシ用に特別にエサをやるのは基本的に不要です。しいて言えば藻やコケが発生しないくらいきれいな水だとタニシにとっては逆に食べるものがなくなって餓死することもあるため、水換えを頻繁にやり過ぎるとタニシにとってはあまりよろしくありません。
タニシは石巻貝やサカマキガイ(スネール)など他の貝と違って卵は産まず、稚貝をそのまま産みます。そのためオスメスのタニシがそろっていて相性がいいとふとしたときにいつの間にか稚貝がいることもあります。
ヒメタニシは大人の貝でだいたい2cm前後ですが、生まれたばかりの稚貝だと2~3㎜くらい、上の画像の稚貝はだいたい5㎜くらいの大きさです。
大人と違いであれば大きさは明らかに違いますが、稚貝も見た目に微妙に変化はあります。上の画像は生まれたばかりのタニシの稚貝ですが、貝殻の色が薄めです。大きさは2,3㎜くらい。
こちらは孵化してだいたい2週間くらいたったであろうタニシの稚貝。先ほどと比べて貝殻黒くなっていますね。大きさは5㎜くらい。貝殻の形などは変わりませんが、色味は明らかに変わりました。これ以降も成長して2cmくらいになる予定です。
タニシはオスメスがそろっていれば繁殖は割と容易ですが、かといって石巻貝やサカマキガイのように大量に卵を産み増えるということはありません。たとえばサカマキガイはゼリー状の卵を産み付けます。
しかもサカマキガイは卵を至る所に産み付けるため水槽の景観を損ねることも多いです。
ただタニシであればそもそも卵を産まないため水槽の景観を損ねることがないですし、増えても多くて数匹程度なので水槽の見た目や環境への影響も大きくありません。
石巻貝に至っては水槽の壁に無数に卵を産み付けますし、しかも淡水だと孵化しない。スクレイパーなどでこすらないとずっと残るので除去するのも少し面倒です。
メダカ水槽でヤマトヌマエビとタニシやタニシの稚貝も混泳しているのですが、ヤマトヌマエビがタニシの稚貝を食べてるシーンを目撃してしまいました。
特に稚貝は大きさ的にもヤマトヌマエビが掴んで持っていくにはちょうどいいので、エサとして認識されやすい可能性もあるかもしれません。
タニシはメダカとは相性が良いですが、ヤマトヌマエビとの混泳には注意が必要です。
ヤマトヌマエビとの関係性や注意点は以下の記事でも解説しています。
ヒメタニシは元々田んぼなどメダカと同じようなところに生息しているためメダカと似た環境を好みます。そのためメダカ飼育が上手く回っていればヒメタニシも同様に飼育したり繁殖することも容易です。
他の貝と違ってちょうどいい具合に増えますし、卵で水槽の景観を悪くすることもないため、貝を飼育して繁殖までさせたいならヒメタニシがオススメです。
]]>屋外でメダカビオトープを作る時におそらく高確率で入れる植物の一つがホテイアオイだと思います。先日そんなホテイアオイを見てたらアブラムシがついていました。
日ごろから植物を育てる人や園芸に興味のある人はよくご存じだと思いますが、アブラムシは植物の害虫としては定番中の定番。最悪植物が枯れることもあるので早めに対処したいところですよね。
今回はメダカ飼育、メダカビオトープをやってる人向けにアブラムシの生態や対策について解説しました。
こんな感じでホテイアオイの葉に黒っぽいアブラムシがついていました。アブラムシは植物につくことで観た目もよろしくないですが、植物に対して実害を与えることもあります。
直接被害は、草花・樹木・野菜など多くの植物の新芽や葉裏などに寄生して、植物の汁液(師管液)を吸って加害すること。1匹ではたいしたことがなくても、群棲して加害するため、特に若い芽や葉が変形し、健全に生育しなくなってしまいます。
また、間接被害は、ウイルス病を媒介することです。ウイルス病は多年生の植物にとって深刻で、かかってしまうと治療することはできません
アブラムシを駆除したい! 手軽な撃退法、発生原因や予防策も
アブラムシが養分を吸い取って枯れる場合もありますが、蚊などと同じようにウイルスを媒介することもあります。植物も人と同じようにウイルスが絡む病気を発症することがありますが、一度かかると治すのは難しい(専門知識がいる)ため、アブラムシが付いたらなるべく早く駆除したいところです。
アブラムシの駆除用に殺虫剤などの薬剤もありますが、基本的に薬剤系はNGです。メダカなどの生体が死ぬ可能性もあるのでメダカビオトープ・水槽に対して薬剤を使うのは止めましょう。
ちなみに外のメダカビオトープの近くで花壇などを育てている場合、花壇で殺虫材や殺虫スプレーをまくと、風に乗って薬剤の成分がメダカビオトープの水に溶け込む可能性もあるため注意しましょう。風向きに配慮したり、花壇とメダカビオトープを離すなどの工夫が必要です。
では殺虫剤などを使わずにどうやってアブラムシを駆除するかというと、実はアブラムシは水をかけると簡単に葉から落ちます。ホテイアオイもアブラムシごと水に沈めれば大半のアブラムシはホテイアオイから剥がれ落ちて水に浮きます。
水に浮いたアブラムシはメダカが食べてくれるので一石二鳥です。メダカは元々水面に落ちた小さい虫も食べるためアブラムシも実はメダカにとってはいいエサになります。
アブラムシを未然に防ぐのはちょっとコツがいりますが、発生しやすい場所の傾向がつかめれば最低限の発生で抑えられます。
「植物の株間が狭く風通しが悪い」といった場合にも、アブラムシが湧きやすいと言います。アブラムシの発生を防ぐには植物の風通しをよくし、まんべんなく日が当たるようにすることがポイントです。また、翅がある有翅型のアブラムシが発生すると、別の植物へと移動を繰り返すため、一気に発生してしまうことになります。
アブラムシが発生する原因とは?アブラムシの退治方法と予防方法
アブラムシは風通しの悪いところや日当たりの悪いところに発生する傾向があります。ホテイアオイの場合は葉が重なり合うような形から葉の裏側や葉と葉の間にアブラムシが発生することが多いです。
ただ上から見ているだけだと意外と見つけづらいので、たまに葉の裏側や葉の間などをチェックしましょう。
ホテイアオイに限らず、アブラムシは目立つところにはおらず見えづらいところにいることが多いです。また、アブラムシは水中では生育できないためホテイアオイだけでなくウォーターバコパなど水上に葉を出すようなタイプの植物についていることもあります。
アブラムシは黄色に寄ってくる習性があるようです。
アブラムシ退治!有効な対策はあるのか
黄色いテープを吊り下げておいたり、市販の虫捕りシートを利用して植物の近くに設置しておくとそこにアブラムシが集まり、植物への被害を食い止めることができます。粘着面にアブラムシがくっつくので、そのまま捨てるだけ。殺虫剤を使いたくないという方におすすめです。
アブラムシが黄色によってくる習性を利用した粘着シートもあります。実は僕も大学生の時に農学部に所属していましたが、その時に使っていた植物に発生するアブラムシ予防・駆除でこの手の粘着シート(防虫シート)を使っていました。面白いようにアブラムシなどの害虫がくっついていたので効果はかなりありました。
ホテイアオイなど植物の害虫としてもアブラムシはもはや定番と言っていいレベルです。アブラムシが発生して即枯れることはないですが着実に養分は吸い取られるため早めの対策が必須です。
外のメダカビオトープでホテイアオイなどの浮き草、水生植物を育てる場合はアブラムシなどの害虫にも注意しましょう。
]]>ビオトープなどでメダカを屋外で飼育していると、水中に黒い粒のようなものがうごめいていませんか?
見覚えのない生き物で不安に思う人もいますが、実はカイミジンコというプランクトンの一種です。見た目などから何となく「メダカに被害があるんじゃないか?」など不安になる方もいますが、実はメダカなどの生体に対しては無害です。僕もメダカビオトープで数年違和感なくカイミジンコとメダカの共存ができています。
今回はそんなカイミジンコについて解説しています。
貝形虫は節足動物、甲殻類の一綱をなす生き物です。カイミジンコとも呼ばれ、その名が示す通り、二枚貝のような背甲とミジンコに似た体部や付属肢をもつ多細胞動物です。
貝形虫 国立科学博物館
カイミジンコは貝形虫とも呼ばれ、ミジンコと名前にありますが分類上は通常のミジンコとは別のグループとされています。メダカの生餌や冷凍のエサなどに用いられるミジンコはおもにタマミジンコやオオミジンコあたりで、カイミジンコは一般的にはメダカのエサとして名前は挙がりません。
冷凍ミジンコについては以下の記事でも解説しています。
カイミジンコは野生では池や沼など水のあるところなら広く生息しており、田んぼでも見られます。メダカビオトープで用いられる底砂・土の一つに「荒木田土」がありますが、荒木田土は田んぼの土に近い組成で土の中に微生物の卵などが混じっていることもありカイミジンコが耐久卵という形で混ざっていることもあります。
耐久卵の補足説明
しかし、ミジンコが増えすぎたり、餌がなくなったり、水温が下がったり、日が短くなったりとミジンコにとって生息する環境が悪くなるとミジンコは雄を産むようになり、雄と雌の間で耐久卵という受精卵を作ります。このミジンコの耐久卵は乾燥に強く長い年月が経っても環境が良くなれば、また発生が進み雌のミジンコになります。
ミジンコの生殖(単為生殖と有性生殖)東京薬科大学
カイミジンコは他のミジンコと同じく肉眼でも見えます。パッと見た感じは黒い粒のように見えるため、水の中でビオトープの水中で黒い点が素早く動いていたらカイミジンコの可能性があります。
パッと見た感じは小さな黒い粒で少し得体の知れない感じもあるかもしれません。これが例えばヤゴみたくメダカを捕食するなど明確に被害があれば駆除の対象になりますが、カイミジンコはメダカやメダカの卵を食べたり他の生体を襲うなどの被害はありません。そのため、特に駆除などしなくても問題なくメダカと共存できます。
カイミジンコが食べるとすればメダカなどの生体の死体です。生体の死体は放置しておくと腐敗して水質の悪化にもつながるので、そうなる前にカイミジンコが死体を食べてくれると考えると実は水質の維持にも少し貢献しています。
普通にメダカ飼育をしていくならカイミジンコは特に気にする必要はないです。
カイミジンコはプランクトンの一種なので、「メダカが食べてくれるかも」と思う方もいるかもしれません。室内のメダカ水槽で試しにスポイトでカイミジンコを与えてみましたが『一応食べた』という感じでした。
「一応」とつけたのは、ボウフラや冷凍の赤虫などと比べると積極的によってくる感じがあまり見受けられなかったから。カイミジンコがたまたまメダカの目の前を通ってメダカが食べるというのは見られましたが、すごく食いついたという感じはしませんでした。
特にボウフラのような生きたエサにはすごくよく食いつきます。
カイミジンコは「カイ(貝)」という名前が付く通り、体が貝殻のようなもので覆われているためメダカが食べたとしても消化が良くないのかもしれません。
他のブログなどでもメダカにカイミジンコを与えたという事例は見られましたが、食べたという意見も食べなかったという意見も両方みられました。メダカとしてはカイミジンコはそこまで好みではないのかもしれません。加えてカイミジンコは通常は底の方にいることも多く、メダカからすると意外と出会う回数が多くないのもあるかもしれません。
カイミジンコはメダカなどほかの生体に対して直接の被害はありません。そのため無理に駆除せずに共存させても特に問題はありません。メダカもあまり積極的に食べる感じでもないためそのまま居座ることが多いですが、よほどこだわりがない限りは温かく見守りましょう。
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