メダカとタニシの相性は良い!飼育のポイントを解説

タニシの飼い方

著者:長池涼太

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今までメダカなど、水槽で飼える様々な生き物を紹介してきました。

今回紹介するのは『タニシ』。これまでメダカやメダカと一緒に飼っている生体を紹介してきましたが、タニシもメダカと一緒に飼うことができます。今回はタニシの種類や飼育のポイントをまとめてあります。

タニシの概要・種類

タニシ
名前タニシ(ヒメタニシ、マルタニシなど数種類いる)
大きさ種類によるが大きくて5㎝くらい
繁殖オスメスがそろえば容易。卵は産まず稚貝を産む
オスメスの区別片方の触角が曲がっていればオス、まっすぐならメス
メダカとの相性問題なし
タニシの概要

タニシ科に属する淡水の巻貝です。タニシといっても

  • マルタニシ
  • ヒメタニシ
  • ナガタニシ
  • オオタニシ

などの種類があります。店で売っているのは「ヒメタニシ」が多いです。水温の適応範囲が広く、冬の屋外などあまりに寒い場合は底砂にもぐって暖かくなるのを待ちます。

水質も野生では、少し汚れた水に生息することが多いのでよほど汚れた水でなければ生きることができます。

注目

ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)という種類もいますが、ここでいうタニシとは全くの別物です。ヒメタニシなどはタニシ科ですがジャンボタニシはリンゴガイ科。

ジャンボタニシはピンク色の卵を産んだり、田んぼで農作物を食い荒らすなどの被害もあり非常にやっかいなのです。南米原産ですが、食用として持ち込まれ逃げ出すなどして野生化したそうです。

タニシのエサとタニシならではの特徴

石巻貝などの他の貝と同じく、水槽内のコケ、藻類(アオミドロなど)、生物の死骸、枯れた水草などを食べます。そのためタニシ用にエサを与える必要はありません。

さらにタニシで特徴的なのが、濾過摂食(ろかせっしょく)と呼ばれる水中の有機物、植物プランクトンを食べるということで水質浄化の効果もあります。逆に植物プランクトンなどが増えすぎると藻がすごい勢いで発生します。

藻の一種アオミドロについて

濾過摂食は石巻貝などアクアリウムに出てくる貝のほとんどは持ってないので、実は貴重な性質だったりするのです。
(濾過摂食する他の貝はシジミ、ドブガイなどの二枚貝ですが、長期的に水槽内で飼育するのは難しいです。濾過摂食しかできず、ある程度水がきれいになってしまうと食糧難になってしまうため)

補足

  • コケ、藻を食べる・・・刈り取り食者(グレイザー)
  • 水底の沈殿物(死骸、枯れた水草など)を食べる・・デトリタス食者
  • 水中の有機物を食べる・・濾過摂食

環境の適応も普通に飼っていればさほど気をつかう必要はありません。メダカなどの観賞魚に合わせて適度に水換え(1,2週間に1回、水槽内の水の3分の1くらいを換える)をすれば、問題ありません。

余裕があれば、水のpHは確認すると良いです。あまりに酸性に偏ると殻が溶けやすくなり、命に関わることもあります。

りょうた
りょうた

タニシがいることでコケ発生の予防になるかも。

タニシと他の生き物との混泳・相性

タニシってメダカを食べますか?
食べることはある。
ただし生きたメダカでなく死んだメダカを食べるので、少なくともタニシが泳いでいるメダカを襲うことはない。

ところで、たまにネットの情報で、「タニシってメダカを食べますか?」という質問を見かけます。

これについては、

りょうた
りょうた

食べることはある。

ただし生きたメダカでなく死んだ目高を食べるので、少なくともタニシが泳いでいるメダカを襲うことはない。

が答えです。そもそもタニシの動きが遅いので、メダカに追いつけません。メダカやミナミヌマエビなど、アクアリウムでよく見られる生物と相性は特に問題ないです。僕の水槽でもタニシの他に、

  • メダカ
  • ミナミヌマエビ
  • ヤマトヌマエビ
  • 石巻貝
  • シマドジョウ

が一緒にいますが、問題なくそれぞれ生きています。

タニシの稚貝とヤマトヌマエビの組み合わせは注意!

ヤマトヌマエビがタニシの稚貝を捕食したケースがうちの水槽でありました。

違いだとヤマトヌマエビが持つのにちょうどいいサイズなのでエサとして認識した可能性があります。大人のタニシであれば問題ないですが、稚貝の場合はヤマトヌマエビとは別の水槽で飼育した方がいいかもしれません。

タニシは卵を産まない

タニシの繁殖で特徴的なのが卵を産まないこと。実はタニシは「卵胎生」と呼ばれる繁殖で、稚貝が卵から孵化するのではなく稚貝の形で母親から出てきます。

補足説明

  • 卵胎生・・卵を胎内で孵化させ、子を産む繁殖
  • 卵生・・魚類やは虫類のように卵を産む繁殖
  • 胎生・・ほ乳類のように卵を産まず、子を産む繁殖
タニシとタニシの稚貝
生まれたばかりのタニシの稚貝の様子

このように小さな稚貝が一度の繁殖で数匹出てきます。繁殖時期としては6~8月と少し狭いですが、メダカやミナミヌマエビなどの他の生き物とそこまでズレてはいません。

タニシの稚貝
タニシの稚貝

ちなみにタニシをメスのみ購入しても、購入前にオスと交尾している場合、そこから細切れに稚貝を産むこともあります。

りょうた
りょうた

タニシ(ヒメタニシ)の繁殖、稚貝の育て方は以下の記事でも解説しています。

タニシのオスとメスの区別の仕方

メスの特徴。触覚が2本ともまっすぐ

メスのタニシ

注目は触覚。メスは触角が2本ともまっすぐです。

オスの特徴。片方の触角が大きく曲がっている

オスのタニシ

オスは片方の触覚がかなり曲がっているのが特徴です。このあたりは写真のように水槽の壁をはっているときに確認ができます。

りょうた
りょうた

ある程度の大きさがあれば触覚はよく見えるので、オスメスの区別もしやすいですね。

タニシと他の貝との区別の仕方

メダカ飼育ではいろんな貝がいます。特にメジャーな貝類との区別の仕方をまとめてあります。

石巻貝

石巻貝

タニシも石巻貝も大きさはほとんど変わりません。

注目するのは貝のてっぺんで石巻貝は頂上にあたる部分が欠けているのが特徴です。

サカマキガイ(スネール)

スネール

サカマキガイは大きさ1㎝ほどしかないので、タニシとは大きさがまるで違います。またサカマキガイはゼリー状の卵を産みますが、タニシはそもそも卵を産まないので卵を産む貝であればタニシではありません。

タニシの貝殻は硬いですが、サカマキガイについては少し力を入れてつまむと潰れるという違いもあります。あとは、サカマキガイについては水草に混入していることもあるので、もし買った覚えのない貝がいたらだいたいサカマキガイで間違いないです。

りょうた
りょうた

いずれにしても『大きさ』と『貝殻の形』で区別ができますね。

サカマキガイ(スネール)についてはコチラ

タニシは初心者でも飼いやすい

タニシの評価
飼いやすさ
 (4)
見た目
 (4.5)
コケを取る能力
 (3)
繁殖の容易さ
 (3.5)
メダカとの相性
 (5)
総合評価
 (4.5)

タニシの飼育の特徴として、

  1. 卵を産まずに稚貝をそのまま産み出す
  2. 濾過摂食で水をキレイにする
  3. 水温や水の汚れに対して丈夫

があります。メダカと同様に元々の生息地が日本の水田付近なので、野生でもメダカとは近い環境に生息しています。そのことからも、メダカと混泳させる生き物としては特にオススメではないでしょうか。

淡水の貝としては石巻貝と並ぶ人気でしかも飼いやすいので、アクアリウム初心者の方にも良いですね。水槽を立ち上げたばかりの方で、貝類を取り入れたい方にもタニシはオススメです。

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