著者:長池涼太
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メダカ飼育で欠かせないものの一つが『エサ』
エサと言っても固形のものから生きたエサ(生餌)など種類はたくさんあります。
その中でも最近注目しているのが『ブラインシュリンプ』という生きたエサ。
実は扱いに少し手間がかかり初心者には少しハードルが高いのですが、最近イージーブラインという商品が出てかなりハードルが下がった感じがあるので、イージーブラインをもとにブラインシュリンプの扱い方をまとめました。
ブラインシュリンプはこんな生き物
ブラインシュリンプは塩分の高い水中に生息します。産地によって塩分は異なりますが、例えば、主な産地であるソルトレイクシティでは8~28%程度です。海水の塩分が3%程度ですから、海水の3~10倍近い塩分でもブラインシュリンプは生息できることが分かります。
これほど高い塩分の環境下では外敵がほとんど存在せず、ブラインシュリンプが生態系の頂点になります。
ブラインシュリンプについて|株式会社キョーリン
ブラインシュリンプは元々塩分の高い水に生息しています。
ブラインシュリンプを入手する際はブラインシュリンプの生体をそのまま購入することはなく、『卵』の状態で入手するのが基本です。
ただしブラインシュリンプの卵をメダカは食べることはできない(消化できない)ので、
- ブラインシュリンプの卵を入手
- 卵を孵化させる
- 孵化して生まれたブラインシュリンプをメダカに与える
という流れです。
特に孵化したばかりのブラインシュリンプは栄養価が高くメダカなどの稚魚にはかなり良いエサになります。
ブラインシュリンプのように生きているエサは栄養価が高い一方で確保は簡単ではないです。
そのため、ブラインシュリンプのように確保しやすい生きたエサは重宝されています。
なおブラインシュリンプはアルテミアとも呼ばれ、子どもの自由研究の教材にもなっています。
ブラインシュリンプを与えるのは少し手間がかかる
そんなブラインシュリンプ、エサ(生きたエサ)としては栄養価の面でもかなり優秀ですが、与えるにあたっては手間がかかります。
- 塩水が必須
- エアレーションが必須(ブラインシュリンプ用の容器が望ましい)
- 孵化したら卵の殻とブラインシュリンプを分ける
塩水については添加物のない食塩であれば問題ないですが、セオリーとしてはブラインシュリンプを孵化させるための専用の容器が必要だったり、孵化したら卵の殻とブラインシュリンプを分けるのが意外と手間です。
ブラインシュリンプの卵の殻はメダカが消化することができず腸管などにつまることがあり、それで死ぬこともあるらしい。
そのため僕もブラインシュリンプを扱うのはしばらく躊躇していましたが、2021年に入って『もっと簡単に』ブラインシュリンプを孵化させメダカに与えられる『イージーブライン』という商品が出たということで試してみました。
イージーブラインは手間を省いてブラインシュリンプを与えられる
改めてですが、
- 塩水が必須
- エアレーションが必須(専用の容器が望ましい)
- 孵化したら卵の殻とブラインシュリンプを分ける
通常はブラインシュリンプを魚に与えるにはこのように手間が少しかかります。
この手間を解消したのが『イージーブライン』。
中身はブラインシュリンプの卵ですが、通常のブラインシュリンプの卵と違うのは、
- エアレーションがなくても大丈夫(水深が深くなる場合は必要)
- 卵に特殊加工を施して磁石にくっつくようになっている
という点。
そのため僕らでやることは、
- 塩水を作る(100均などの食塩でOK)
- 孵化用のプラスチック容器などを準備する
くらいで大丈夫です。
今までハードルが高かったブラインシュリンプの卵の孵化をかなり簡略化できている点が良いですね。
ブラインシュリンプの与え方
そんなこんなでブラインシュリンプの孵化が手間かなと感じていましたが、その手間をある程度排除したイージーブラインが出たということで試してみました。
以下はイージーブラインの場合の流れです。
(通常のブラインシュリンプだとエアレーションなど様々な手間が発生します)
濃度は2,3%。ペットボトル500mlの水に12gくらいの塩を溶かす(塩は100均のものでも大丈夫でした)
卵が多すぎると酸欠で孵化率が下がるらしいので注意。
水温が低すぎると孵化しない、もしくは孵化率が下がるので注意。
ネオジムなど強めの磁石(100均のでOK)を使うと殻がよりくっつく。
余裕があればコーヒーフィルターなどで越して塩分を取り除くのもOK(必須ではない)
塩水を作りブラインシュリンプの卵を入れる
最低限必須なのが、
- イージーブライン
- 塩(100均)
- 磁石(100均)
- 容器(基本プラスチック容器だがなんでもいいと思う)
ブラインシュリンプの卵を水に入れたら、様子を見つつ1日待ちます。
孵化したら卵とブラインシュリンプを分ける
順調にいけば24時間ほどでブラインシュリンプが孵化します。
僕がやったときは、開始18時間あたりから孵化し始めました。
基本的には水温が高いほど孵化は早まる傾向にあります。
ただしこのままスポイトなどでブラインシュリンプを与えようとすると卵の殻も混入してしまいます。
実はこの卵の殻はメダカが食べても消化できず、腸管などに詰まって死んでしまうこともあるらしい。
そのためブラインシュリンプを与えるときは、ブラインシュリンプと卵の殻を分けるのが必須になってきます。
普通にブラインシュリンプを扱うときはいろいろ手間がありますが、ここがイージーブラインの大きな特徴で実は卵に特殊な加工を施して磁石にくっつくようになっています。
そのため水中に磁石を入れると磁石に卵の殻がくっつくようになっています。
磁力が強い磁石が望ましいですが100均の磁石でもちゃんと卵の殻がくっつきます。
水面を這わせるのを何回かやれば、だいたいの卵の殻は回収できて塩水の中は孵化したブラインシュリンプのみになります。
ここまで来たらあとはスポイトでブラインシュリンプを与えるだけ。
小さいので一度にかなりの数のブラインシュリンプを与えることになりますが、メダカの食いつきがかなり良いので少し多いくらいでも問題ないです。
万が一メダカが食べきれなくて、ブラインシュリンプが底に沈んでもミナミヌマエビなどがいれば食べてくれるみたいです。
ブラインシュリンプが孵化しない場合
全部の卵が100%するわけでもないですが、とはいえあまりに孵化率が低いのも考えもの。
僕も初めてイージーブラインを使ったときに失敗しましたがそれも込みで考えると次の2つに原因があることが多いです。
- 塩が純粋な塩でなく添加物入りの塩
- 水温が高すぎる、もしくは低すぎる
僕が初めてイージーブラインを使って失敗したときに浸かった塩が後で分かりましたが旨味成分(グルタミン酸ナトリウム)入りの塩でした。
味の素にも入っている成分ですね。
我々が口にするぶんには美味しいですが、自然界にはない(接点がない)のでブラインシュリンプにとっては害のあるものかもしれません。
その後やり方を変えずに100均の純度100%の塩に変えたらあっさりと上手くいきました。
塩は安くても大丈夫ですが、余計な成分が入ってないものを選ぶと良いです。
水温(気温)に関しては低すぎると孵化率が下がることはメーカーも言っていますが、高すぎる(30℃以上くらい)場合も水が傷みやすいことを考えると何らかの影響は出ると思います。
27℃前後が理想ですが、最低でも20℃台だと安全かと思われます。
あくまで体感ですが水温があまりに高いと、孵化したブラインシュリンプが死ぬのが早いような感じもします。
水温の問題ではないかもしれませんが、いずれにしても孵化したブラインシュリンプは早めにエサとして使いきった方が良さそうですね。
秋に生まれたメダカの稚魚に向けてイージーブラインを与えようとしましたが、水温が低いと孵化するのに時間がかかるようです。
1月に試したらブラインシュリンプが孵化するのに2日ほどかかりました。
同じ部屋の水槽の水温が15℃~18℃だったので、やはり水温が低いと孵化しなかったり孵化するとしてもかなり時間がかかるようです。
冬に稚魚を育てる場合は、稚魚用の粉末のエサの方が良いかもしれません。
ブラインシュリンプを与えるのが楽になった
- メダカの稚魚のエサとしてポピュラーなのがブラインシュリンプ
- ブラインシュリンプは塩水を使ったり、卵を孵化させる、エアレーションと手間がかかる
- 最近イージーブラインという商品が出て、これだと手間を省きつつブラインシュリンプの卵を孵化できる
- イージーブラインの場合、エアレーションはしなくても大丈夫
- 卵の殻も磁石でくっつく加工をされているので、ブラインシュリンプと卵の殻を分けるのも簡単
- メダカの食いつきも非常に良い
- 塩はうまみ成分など余計なものが入ってないものを使う。(原材料が海水のみなら100均の塩でもOK)
良質なメダカ(特に稚魚)のエサでありつつ扱うのに少しハードルが高かったブラインシュリンプ。
今回イージーブラインで試してみてブラインシュリンプを扱うハードルがかなり下がりました。
- メダカの繁殖を上手くやりたい方
- メダカの稚魚の良質なエサを探している方
このような方はイージーブラインで簡単にブラインシュリンプを孵化させて、良質なエサとして使えますのでぜひお試しを。