著者:長池涼太
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メダカは屋外での飼育も可能です。
屋外は室内よりも多少放置気味でも問題なく飼えることもありますが、一方で屋外飼育ならではの問題もあります。それが『天敵』の侵入。今回は特に水槽に侵入することの多いヤゴについて解説します。
何も対処しないと最悪の場合、メダカがヤゴに食べれてしまうこともあります。
メダカの天敵のヤゴについて
メダカビオトープによく侵入する
トンボの幼虫を総称してヤゴと呼びます。春~秋にかけて繁殖し、冬は卵か幼虫の状態で冬を越します。
そのためヤゴは通年みられることが多いです。成虫のトンボは空を飛んでいることが多いですが、産卵は池や沼などの水中にしてヤゴも水中で育ち、ある程度大きくなったら陸に上がって羽化して、成虫になります。
羽化は木の枝や壁など陸に上がって行われることが多いです。ヤゴを羽化させたい場合は陸のスペースを確保しましょう。
肉食でメダカなどいろんな生き物を食べる
ヤゴは肉食で食欲旺盛なため、メダカなどの小動物はたいていなんでも食べますしヤゴ同士で共食いをすることもあります。
実験的にプラスチックのケースで7匹ヤゴを飼育してますが、1週間で2匹が共食いの犠牲になりました。エサはメダカを与えるのがベストでしょうが、水中の小さな虫なども食べるようです。
アゴでしっかりとらえて食べてますね。ミミズやアブラムシからメダカまで割と何でも食べるくらい肉食性が強いです。
アブラムシはビオトープにある水生植物にとっては害虫です。
ヤゴ以外にもいる!メダカの天敵
メダカの天敵はヤゴ以外にも、
- タガメ
- ミズカマキリ
- マツモムシ
などが挙がっています。ただし、これらの生き物は絶滅危惧種などに指定されているくらい数を減らしているため、見かける機会は少ないです。
タガメ
出会うことはめったないですが、万が一メダカビオトープに侵入したらメダカが全滅する可能性もあるくらい危険です。
ミズカマカリ
タガメと同じくメダカにかなりの被害が出ることがあります。ただしミズカマキリもタガメ同様に数を減らしているため、よほど田舎でなければメダカビオトープへ侵入する可能性は低いです。
マツモムシ
メダカビオトープと別にミニ田んぼが庭にありますがそこにマツモムシがいつのまにか飛来してました。
タガメ同様に肉食性が強く昆虫やメダカのなどの小さい魚も食べるのでマツモムシも要注意ですね。ちなみに素手でつかむとくちばし状の口が刺さって痛いので注意しましょう。
ヤゴの見た目はトンボの種類によって違ってくる
ちなみにトンボと言ってもオニヤンマ、シオカラトンボ、アキアカネなど様々な種類がいて、ヤゴもトンボの種類によって微妙に見た目が変わります。
細かい種類は『ヤゴペディア』というサイトで調べることができるので、ヤゴの種類が気になった方は調べてみましょう。
メダカを守るためのヤゴ対策
防虫ネット
結論から言うと完全にヤゴの侵入を防ぐのは困難みたいです。ネット上の情報を見ても、なかなか「これ」というのはありませんでした。そんな中で対策になりそうなのが水槽の上にネットや網をかぶせる方法。
ただ、それでも侵入されているケースはあるようなのであくまで「ないよりはマシ」なくらいのスタンスが良いかなと。
防虫ネットなどを使うと、少なからず観察はしづらくなるのでヤゴの侵入阻止を取るか観察のしやすさを取るか…ですね。
ちなみにうちは大丈夫ですが、場所によってはカラスなどの鳥がやってくることもあるそうです。鳥対策には防虫ネットが有効ですね。
すだれで日よけをしつつヤゴの侵入を防ぐ
防虫ネットに近いですが、すだれもオススメです。防虫ネットと同じく物理的に侵入を防ぐこともできますが、特に夏は日除けをすることで水温が過剰に上昇するのを防ぎます。
ヤゴなどの外敵の侵入を防ぎ、メダカの環境も保つので一石二鳥ですね。
すだれについては以下の記事でも解説しています。
見つけて駆除する
ということで、完全にヤゴの侵入を防ぐのが難しいので、できることはやはり『地道に一匹ずつ駆除する』くらいです。水槽の中をパッと見てもヤゴがすぐに見つかるわけではないですが、
- 水草や石などの影に隠れている
- 底砂に隠れている
というパターンがほとんどなので、よく探しましょう。
ピンセットで水草など水槽内をつっつくと出てくることが多いです。
抜け殻はヤゴがいる証
ヤゴは脱皮するため『抜け殻』が発生します。
抜け殻が水面に浮いている場合もあるので、『抜け殻がある=ヤゴが紛れこんでいる』と思った方が良いです。
僕は一匹ずつピンセットでつまみ出しました。
結局のところ、手間はかかりますが地道に一匹ずつ取り除くのが確実かもしれません。基本的に、1匹ヤゴを見つけたら数匹~10匹くらいはいると思って良いです。
ヤゴを撃退するツールがないため、現状は地道に1匹ずつ捕まえるしかない…。
ヤゴを食べる生き物はメダカビオトープへの導入が難しい
- ヤゴの天敵(ヤゴを食べる生き物)っているの?
- フナや鯉、ウナギなどがヤゴを食べるそうです。ただしメダカビオトープへ入れるにはハードルが高いですしメダカと一緒に飼ったところでメダカも食べられてしまうかと。
ヤゴの天敵は、フナ・鯉・うなぎです。人間ですと、すしネタのシャコを好んで食べますように、うなぎなども好んでヤゴを食べます。
味は、シャコに似ているのでは・・・ ヤゴとシャコは、栄養的には同じのように思います。尾張地方では、うなぎ釣りに、ヤゴを餌することはありません。しかし、関東の霞ヶ浦地区では、トンボのヤゴを餌にして、うなぎを釣るようです。良く釣れるとのことです。
ヤゴ(トンボの幼虫)の天敵・・・・フナ・鯉・うなぎ・ 水鳥
ヤゴを食べる生き物はそもそも情報が非常に少ないですが、いてもフナやウナギなどかなり大型の魚のようです。これらはサイズ的にもメダカビオトープへの導入は困難でしょうし、仮にメダカと一緒の水槽で飼ったところでヤゴどころかメダカも一緒に食べられてしまう可能性が高いです。
そのためヤゴは天敵に食べてもらうというのは現実的ではなく、
- 水槽にフタをしてヤゴの侵入をあらかじめて防ぐ
- ヤゴを発見したら1匹1匹地道に取り除く
これらをひたすらやっていくしかありません。
ヤゴの対処は早めに
- ヤゴ(トンボの幼虫)はメダカの天敵
- トンボがどこにでも見られるため、ヤゴが侵入する確率も高い
- 水槽に防虫ネットをかぶせればヤゴ(トンボ)の侵入を多少は防げるが、完全には防げない
- 頻繁にチェックして、ヤゴは地道に1匹ずつ駆除するのが確実
ヤゴは食欲旺盛なため、早めに対処しないとメダカが全滅する可能性もあります。もし外のメダカ水槽にヤゴを発見したら、早めに駆除するなど対処をしましょう。
せっかく飼育しているメダカですから、大切に。