著者:長池涼太
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ビオトープなどでメダカを屋外で飼育していると、水中に黒い粒のようなものがうごめいていませんか?
見覚えのない生き物で不安に思う人もいますが、実はカイミジンコというプランクトンの一種です。見た目などから何となく「メダカに被害があるんじゃないか?」など不安になる方もいますが、実はメダカなどの生体に対しては無害です。僕もメダカビオトープで数年違和感なくカイミジンコとメダカの共存ができています。
今回はそんなカイミジンコについて解説しています。
カイミジンコとは?
貝形虫は節足動物、甲殻類の一綱をなす生き物です。カイミジンコとも呼ばれ、その名が示す通り、二枚貝のような背甲とミジンコに似た体部や付属肢をもつ多細胞動物です。
貝形虫 国立科学博物館
カイミジンコは貝形虫とも呼ばれ、ミジンコと名前にありますが分類上は通常のミジンコとは別のグループとされています。メダカの生餌や冷凍のエサなどに用いられるミジンコはおもにタマミジンコやオオミジンコあたりで、カイミジンコは一般的にはメダカのエサとして名前は挙がりません。
冷凍ミジンコについては以下の記事でも解説しています。
カイミジンコは野生では池や沼など水のあるところなら広く生息しており、田んぼでも見られます。メダカビオトープで用いられる底砂・土の一つに「荒木田土」がありますが、荒木田土は田んぼの土に近い組成で土の中に微生物の卵などが混じっていることもありカイミジンコが耐久卵という形で混ざっていることもあります。
耐久卵の補足説明
しかし、ミジンコが増えすぎたり、餌がなくなったり、水温が下がったり、日が短くなったりとミジンコにとって生息する環境が悪くなるとミジンコは雄を産むようになり、雄と雌の間で耐久卵という受精卵を作ります。このミジンコの耐久卵は乾燥に強く長い年月が経っても環境が良くなれば、また発生が進み雌のミジンコになります。
ミジンコの生殖(単為生殖と有性生殖)東京薬科大学
カイミジンコは他のミジンコと同じく肉眼でも見えます。パッと見た感じは黒い粒のように見えるため、水の中でビオトープの水中で黒い点が素早く動いていたらカイミジンコの可能性があります。
カイミジンコは駆除しなくても大丈夫
パッと見た感じは小さな黒い粒で少し得体の知れない感じもあるかもしれません。これが例えばヤゴみたくメダカを捕食するなど明確に被害があれば駆除の対象になりますが、カイミジンコはメダカやメダカの卵を食べたり他の生体を襲うなどの被害はありません。そのため、特に駆除などしなくても問題なくメダカと共存できます。
カイミジンコが食べるとすればメダカなどの生体の死体です。生体の死体は放置しておくと腐敗して水質の悪化にもつながるので、そうなる前にカイミジンコが死体を食べてくれると考えると実は水質の維持にも少し貢献しています。
普通にメダカ飼育をしていくならカイミジンコは特に気にする必要はないです。
メダカはカイミジンコを食べるがあまり好みじゃない
カイミジンコはプランクトンの一種なので、「メダカが食べてくれるかも」と思う方もいるかもしれません。室内のメダカ水槽で試しにスポイトでカイミジンコを与えてみましたが『一応食べた』という感じでした。
「一応」とつけたのは、ボウフラや冷凍の赤虫などと比べると積極的によってくる感じがあまり見受けられなかったから。カイミジンコがたまたまメダカの目の前を通ってメダカが食べるというのは見られましたが、すごく食いついたという感じはしませんでした。
特にボウフラのような生きたエサにはすごくよく食いつきます。
カイミジンコは「カイ(貝)」という名前が付く通り、体が貝殻のようなもので覆われているためメダカが食べたとしても消化が良くないのかもしれません。
他のブログなどでもメダカにカイミジンコを与えたという事例は見られましたが、食べたという意見も食べなかったという意見も両方みられました。メダカとしてはカイミジンコはそこまで好みではないのかもしれません。加えてカイミジンコは通常は底の方にいることも多く、メダカからすると意外と出会う回数が多くないのもあるかもしれません。
まとめ
- ビオトープなどで見られる黒く小さな点、虫みたいなものはカイミジンコ
- メダカが好んで食べるミジンコはタマミジンコやオオミジンコなど
- メダカはカイミジンコを食べることは食べるがそこまで好みではないかもしれない
カイミジンコはメダカなどほかの生体に対して直接の被害はありません。そのため無理に駆除せずに共存させても特に問題はありません。メダカもあまり積極的に食べる感じでもないためそのまま居座ることが多いですが、よほどこだわりがない限りは温かく見守りましょう。