著者:長池涼太
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みなさんはメダカビオトープの底砂(底床)には何を使っていますか?
定番だとソイルや赤玉土の人が多いかと思います。今回紹介するのはそういった定番ものではなく「荒木田土」。田んぼの土に近いもので養分が豊富に含まれているのが大きな特徴です。赤玉土などと比べると少し扱いが難しかったり、使いどころが限られますが使いこなせば底砂以外にも使い道がある優れものです。
荒木田土の概要
荒木田土は元々田んぼの土で養分が豊富に含まれているのが特徴です。赤玉土同様に元々は園芸用ですが、メダカなどビオトープに用いられるケースも増えています。赤玉土同様にホームセンターでも売られています。
見た目は普通の土っぽいですが、水で濡らすと泥のようになりまさに田んぼのような状態になります。
赤玉土と違い強い保水性を持ちますが、逆に通気性は良くないためメダカビオトープなどでは荒木田土単体で使うことはあまりなく赤玉土などほかの土と混ぜ使うことが一般的です。
荒木田土を使うメリット
養分が豊富
荒木田土の特徴は何といっても養分が豊富なこと。
たとえばスイレンはきれいな花を咲かせますが、花を咲かせようとすると肥料の添加が必須になってきます。つまり花を咲かせるために養分がそれなりに必要になってきます。実際養分がない赤玉土だけで育てたら花が全く咲かなかったので、底砂としても荒木田土のような養分を含んだ底砂が必須になってきます。
水草の成長などにこだわる人は荒木田土を入れておくことで水草がよく育ちますね。
微生物の発生を促す
また、その豊富な養分から微生物も発生しやすくなります。荒木田土自体にミジンコなどの微生物や微生物の卵が含まれている場合もあります。特に屋外ビオトープの場合は微生物が発生すれば、微生物がメダカのエサにもなるためこちらからエサを与える必要もなくなります。
実際うちのビオトープでは1年以上エサは与えていませんが、メダカはちゃんと生きています。
荒木田土のデメリット・注意点
養分が豊富なためにコケが発生しやすい
荒木田土は養分が豊富に含まれており水草の成長につながりやすいですが、その養分をもとにコケが発生しやすいとも言えます。うちのビオトープではアオミドロがよく発生しています。
アオミドロを放置すると水槽全体を覆いつくしたり、メダカなどの生体に絡みついて身動きが取れなくなり死なせてしまうことがあります。そのためアオミドロは頻繁に観察してその都度取り除くことが重要です。
アオミドロのなどのコケは早めに取り除くのが大事ですが、同時にそもそもコケを発生させない環境づくりも大事です。
アオミドロの対処法は以下の記事で解説しています。
水が濁りやすい
荒木田土は水を含ませると泥のような状態になります。この状態だと水がどうしても濁りやすくなります。そのため荒木田土は基本的に室内水槽で使われることはありません。屋外でも濁りは出て特に荒木田土の導入直後は水槽内がかなり見えづらいです。水槽の掃除などで水をかき回せばそれだけでも一時的でもかなり濁るので、荒木田土が入っている時の水槽内の掃除は慎重にやる必要があります。
荒木田土を使ってみた
メダカビオトープの水生植物に使ってみた
元々赤玉土をメダカビオトープで使っていましたが、「もっと効率よく植物を育てたりできるのでは?」と思い荒木田土を導入しました。ウォーターマッシュルームを荒木田土で育てようとも思いましたが画像の通り見た目は完全に泥になるため少し不安になり、最終的に赤玉土と荒木田土を半分ずつ混ぜたものを使いました。
養分が豊富なためか荒木田土を入れたほうが少し育ちがいい気はしました。
ミニ田んぼに使ってみた
以前メダカビオトープに偶然にも稲が混入したらしく突然稲が発芽、育ったことがありました。その稲を収穫できたので、それをもとにここ2,3年は毎年稲を育てています。
その際、メダカビオトープと別に大型の鉢を用意してそちらで荒木田土などを使いミニ田んぼを作りました。
例年4月に稲を水につけて発芽をさせる。
ある程度伸びてきたら荒木田土と赤玉土を混ぜ合わせた土に水をはって発芽した稲を一つ一つ植える。
あとは水を切らさないよう適宜水を補給しつつ見守りました。
だいたい8月~9月くらいには稲穂が茶色くなるのでそのタイミングで収穫。
収穫は一粒ずつ手作業ですが、ちゃんとした稲の形で収穫できました。
食べる場合は、このままでは無理なので精米などの作業が必要です。
稲を育てる際は土にもそれなりに栄養が必要なため、そんなときは荒木田土は必須です。ただ荒木田土だけだと通気性がかなり悪いため、赤玉土も半分くらい入れてブレンドした形で使っています。
最近は「バケツ稲」なんて言葉もあり、家のベランダなどで小規模に稲を育てる人も出てきています。荒木田土は元々田んぼの土なので稲との相性は非常に良いですね。
ただし、水をはるということで特に夏場はボウフラの発生に注意しましょう。水たまりがあればどこにでも発生してすぐ育って蚊になるため見つけたらスポイトなどで回収してメダカのエサにしましょう。
まとめ
- 荒木田土は元々田んぼの土のため養分が豊富
- 荒木田土の中に微生物や微生物の卵も含まれており、荒木田土を入れることで微生物が発生しやすい
- 養分が豊富なためにアオミドロなどのコケ・藻が発生しやすい
- 水に濡れると泥のようになるため水が非常に濁りやすい
- 最近はバケツ稲などで自宅で稲を栽培することもできるが稲の栽培には荒木田土は必要不可欠
養分が豊富などのメリットがある荒木田土ですが、コケの発生のしやすさを考えると少なくともメダカビオトープ初心者には扱いにくいと言えます。そのため荒木田土を扱うとすれば中級者・上級者になります。
もしメダカビオトープで使うとしてもコケの発生を最小限に抑える意味では赤玉土などと混ぜたうえで2~3割くらいの使用にとどめたほうがいいです。
田んぼをつくったり、スイレンなど少し難易度の高い水生植物にチャレンジしたい方には荒木田土はうってつけです。
メダカ飼育に使える底砂はいっぱいあります。
他の底砂は下記の記事でも解説しています。