水生植物の越冬の秘密兵器!ビニール温室を導入してみた

ビニール温室使ってみた

著者:長池涼太

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外でメダカ飼育をしていると、使っている水草などの水生植物が枯れることが気になると思います。

場合によっては冬に枯れたから春にまた新しく植物を購入…なんてこともあるかもしれません。

そこで今回は何とかメダカビオトープ(屋外水槽)で使う水生植物を越冬させたいと思い、『ビニール温室』を導入しました。使ってみたらビニール温室のいい面はもちろん課題も見つかったので、スムーズに導入できるように解説しました。

冬は多くの水生植物が枯れる

外でメダカ飼育をしている方はわかると思いますが、冬になると大半の水草や水生植物は枯れたような状態になります。ただ、枯れるとはいっても厳密には休眠しているような状態なので春になるとまた復活します。特にナガバオモダカやウォーターバコパなどメダカビオトープでよく使われる植物は水上に出る葉は枯れて

ビニール温室の組み立て

ビニール温室
車とかじゃないと家まで運ぶのはつらそう

今回購入したビニール温室は組み立てるものでした。

ビニール温室の部品
入ってた部品。基本的には穴にはめ込むだけ。

少し時間はとりましたが、ドライバーなどの工具は不要で説明書を見ながらやれば特に難しい部分はなかったです。

ビニール温室組み立て中
1段目の組み立て中。柱の長短を間違えないように。
完成したビニール温室
形は完成
完成したビニール温室

3段ある。トータルでも30分かからないくらいでできました。

ビニール温室の温度変化

ビニール温室の効果を検証するために

  • 庭に置いているメダカビオトープ
  • 気温
  • 室内のメダカ水槽

の温度・水温の変化を2週間にわたって記録しました。

温度の計測は1日に4回で『10時』『14時』『18時』『22時』。また天気によって温度変化のパターンが変わるため『晴れ』『くもり・雨』で分けて計測し、温度変化を負いました。

晴れの日の温度変化比較

晴れの日の温度変化

朝から昼にかけての温室の温度の高さが際立っています。

温室は太陽が出ていればひたすら熱がこもるためです。夕方以降は気温に合わせて温室内の温度も下がりましたが、気温よりは少し高めをキープしていました。そのため、完全に寒さを遮断するまではいかずともある程度の防寒の効果はあると考えられます。

くもり・雨の日の温度変化比較

くもり・雨の日の温度変化

くもりは雨の日は晴れの日より温度の上昇は鈍くなります。温室でも気温と同じかちょっと高いくらい。ただし晴れの日と同じで、夜も温室内の温度は下がるにしても気温よりは少し高い温度をキープしているのが分かります。

ビニール温室のメリット

温度を一定に保つ

温度計

ビニール温室の一番のメリットは冬であろうと温度をある程度保てること。ただ外に置くだけだと気温の影響を直接受けるので、12月ともなると一桁の気温、日によっては氷点下にもなります。

その点、温室内であればある程度寒さの影響を和らげるため、少なくとも温室内でもすごく寒くなることは少ないです。

霜を防ぐ

同じような形で温室があることで、霜を防ぐことにもつながります。特に水生植物もそうですが、ゼラニウムなどの園芸に用いられる植物の多くも霜に弱いため、霜を防ぐことは枯れることを防ぐことにもなります。

りょうた
りょうた

霜もそうですが、植物が凍り付くことも防げそう。

冬に外にメダカ水槽を置くと、水が凍ることもありますからね。

病害虫を防ぐ

稲についたアブラムシ
アブラムシはよくいますね

ビニール温室で植物を覆うことで害虫を防ぐこともできます。ゼラニウムなどであればいつのまにかイモムシがついていて葉が食べられていることもありますし、水生植物もバッタやアブラムシがついてたこともありました。

害虫の発見が遅れると葉などを食べつくされることもあるため、早期発見も大事ですがそもそも害虫がつかないようにすることも大事です。

植物を置くスペースを確保

うちは親が園芸が趣味でよく買ってきた植物を鉢に植えたりしていますが、鉢って数が増えると意外とスペースを取るんですよね。特にベランダとなると、洗濯物を干したりもするためより植物を置くスペースが限られます。

棚だと2段、3段と上に置いていくので多少は省スペースになります。

ビニール温室のデメリット

常時20℃以上など保つのは無理

今回ビニール温室で温度を検証して分かりましたが、夜は温室内でも温度が下がります。基本的に気温を下回ることはないですが、それでも10℃くらいまで下がることはあります。そのため、特にサボテンのように極端に寒さに弱い植物は温室内とはいえ枯れてしまう可能性もあります。

もし、温度によりこだわりたい場合は温室に置くタイプのヒーターが必須ですね。

下の隙間から冷気が入る可能性もある

ビニール温室を買うのに事前にレビューを見て気になったのが「ビニール温室の隙間から冷気が入ってくる」という文言。

実際ビニール温室を組み立ててみると、意外と温室の下の方は無防備な感じもしました。

ビニール温室の下から冷気が入る
温室のファスナーを完全に閉めても下に多少の隙間ができるのは気になりました。

ただ地べたに置くだけだと下から冷気が入ってきて温室としての意味があまりないかもしれない。

りょうた
りょうた

特に一番下の段は冷気をダイレクトに受けそう。

そう考え、組み立てた後に新たに下にレジャーシート、横に発泡スチロールを置きました。

ビニール温室
下にレジャーシート、横に発泡スチロールを置き少しでも冷気が入らないようにしました。

夏や暖かい日は極端に温度が上がることもある

温度を一定以上に保つのがメリットですが、逆にいえば夏など暑い日もそれだけ温室内の温度が上がります。僕は大学時代は農学部に所属しており温室内での作業も経験していますが、特に夏場に温室を締め切ると40℃に達することもありました。さらに閉めきった状態だと湿度も上がり蒸れるため、高温多湿を嫌う植物にとってはよろしくない状態です。

夏など気温が高い日は、基本的に温室は開けっ放しが望ましいです。

りょうた
りょうた

メダカも植物も温度が高すぎるのはよくない。

それなりにスペースがいる

うちの場合は、ベランダに温室を置いていますがある程度スペースはとると感じています。

完成したビニール温室
洗濯物を干すのに支障はないですが、組み立てると思ったより大きい。

たくさん鉢があるようなうちは鉢を置くスペースの確保につながりますが、それでも温室を置けるだけの最低限のスペースは必要です。

細かい大きさは温室により異なりますが、今回導入した温室で「幅70cm×奥行49cm×高さ125㎝」とのことなので、あらかじめ置くスペースとの広さと温室の大きさを確認しておきましょう。

りょうた
りょうた

今回導入した温室は割と本格的なもの。

気軽に温室を使いたい人はよりコンパクトなものもあるのでそちらもオススメ。

組み立てもなく開いて置くだけです。

背の高い植物は入らない

今回導入したビニール温室は植物を置く場所が3段。棚の構造上、入れられる植物の高さには制限があります。

ビニール温室に入る植物の高さ

あまり背の高い植物だとそもそも温室に入らない可能性もあるため、温室に入れるのはあまり育っていない植物や背丈の低い植物に限られますね。

今回はウォーターマッシュルームやウォーターバコパはそこまで背丈がない状態なので大丈夫でしたが、ゼラニウムはそこそこ育っている状態なので、無理やり入れた感もあります。

注目

1段ごとの耐荷重は6kgくらいだそうです。

ビニール温室導入から一か月!温室内外の比較

ビニール温室の効果を検証するため以下の植物を温室内と温室外に置いて違いを観察しました。

  • ゼラニウム
  • 浮き草(アマゾンフロッグピットとオオサンショウモ)
  • ウォーターマッシュルーム
  • ウォーターバコパ

結論としては、どの植物も温室内のほうが元気そうでした。普通に外に置くと冬の寒さで葉が変色したり、枯れることもありましたが温室内は多少葉が変色したくらいで目立って枯れた感じはありませんでした。

以下で各植物の温室内外の違いを掲載しています。

ゼラニウム

温室外の冬のゼラニウム
外に置いてるぜラニウム

温室の外のゼラニウムは完全に枯れてはないですが、葉が変色傷んでる感じがありました。続いて温室内のゼラニウム。

温室内の冬のゼラニウム
温室内のゼラニウム

こちらは葉の傷みや変色などは見られず、寒さによる影響はほとんど受けていないようでした。

りょうた
りょうた

温室の防寒効果はバッチリだったようですね。

浮き草。アマゾンフロッグピットとオオサンショウモ

アマゾンフロッグピットとオオサンショウモ
外のビオトープ。葉が傷んだり枯れたりしてる
温室のアマゾンフロッグピットとオオサンショウモ
温室内。多少の傷みはあるが温室内のほうがまだマシ

浮き草は全般的に寒さに弱いが、温室内だと多少の傷みくらいで済んだ。

ウォーターマッシュルーム

外のウォーターマッシュルーム
外のビオトープのウォーターマッシュルーム。こちらも多少葉が枯れている
温室内のウォーターマッシュルーム
温室内のウォーターマッシュルーム。少し小ぶりになったが外よりも元気そう

温室内も多少枯れたり、葉が黄色くなったりはしているがビオトープほど目立って枯れてる感じはないですね。

ウォーターバコパ

ビオトープのウォーターバコパ
ビオトープのウォーターバコパ。水面から上の葉は枯れて最低限の葉だけ残っている感じ。
温室内のウォーターバコパ
温室内のウォーターバコパ。目立って成長はしてないが枯れた感じもなく外よりも元気そうです。

ほかの植物と同じくウォーターバコパも温室内は目立って枯れたとかもなく、冬になってもそんなに変わらない印象でした。

春以降も植物・鉢の置き場として使える

ビニール温室
暖かくなってきたらビニールは取り外しました。

ここまでビニール温室の越冬の効果について解説しましたが、冬以外の暖かい時期も有効活用はできます。たとえば覆っているビニール部分は取り外しができて棚の部分だけ残しておくことも可能です。棚はそのまま鉢などを置いておけるのでベランダなどでスペースに限りがある場合は、引き続き植物を置けます。

むしろ春以降はビニールをかぶせたままだと昼間は温室内の温度が40℃を軽く超えることもあり植物にもあまり良くないので、その点でもビニールは外したほうが良いです。秋が深まって寒くなってきたら再びビニールをかぶせましょう。

りょうた
りょうた

なお、ビニールは経年劣化することもあるため劣化したら新しいビニールに替えましょう。

まとめ

  • ものによるが温室は組み立て式のものもある
  • 温室内は晴れの日だと冬でも30℃を超えることもある
  • くもりの日は気温よりちょっと高いくらい
  • 基本的に温室内の温度が気温を下回ることはない
  • ただし温室内も高温をずっと維持はできず、夜は10℃を切るくらいまで下がる
  • あまり大きい植物は入らない
  • 冬以外はビニールを取り外して棚代わりとして有効活用できる

当初の想定通り温室内は特に晴れの日に温度が上がり、寒さが和らぎます。ただ一方で夜は温室内も気温と同じく温度が下がるため、そこの寒さに植物が耐えきれるかがポイントですね。

加えて、実際に温室を導入して分かったのが意外とスペースを取ること。庭であればそこまで気にならないですが、ベランダの場合はスペースに限りがあったり洗濯物との兼ね合いもあるので置く場所や置き方は考えなければいけません。

ただ、それを差し引いても寒さを和らげることができるのは魅力ですね。温室というと農業のイメージもありハードルが高い感じもしましたが、最近は今回のように手軽におけるタイプの温室もあります。

外の水生植物など外で育てている植物が冬に枯れるのが不安な方は、ビニール温室を導入すると案外越冬できるかもしれませんよ。

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