著者:長池涼太
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メダカなどの観賞魚を飼っていると、水槽の中がコケで汚れることがありますよね?
そんなコケを除去、食べてくれる生き物として『石巻貝』がいます。コケ取り要因として人気のある石巻貝ですが、『産卵』という観点で見たらどうなのでしょうか?
石巻貝の概要
名前 | 石巻貝 |
エサ | コケ |
メダカとの混泳 | 問題なし |
コケ取りの効果 | よく取れる |
繁殖 | 卵は産むが孵化しない |
オススメ度 |
貝類の中でも人気で実店舗、オンラインを問わずたくさんのお店で扱っています。メダカやエビと争うこともなく、相性も問題ありません。
水槽に発生したコケ取り用の生体として導入されることも多く、コケ取りの効果も高いです。
ただし繁殖は、元々汽水域で繁殖するため、通常の飼育下(淡水)では卵は産みますが、孵化することなく卵だけが水槽の壁や岩などに残り続けます。たくさん産むと水槽の景観も悪くなるため、卵を見かけたらその都度スクレーパーなどで卵を剥がしましょう。
水温や環境もそこまで神経はつかわない
石巻貝に適した水温は10℃~28℃といわれており幅広い水温に対応できます。メダカが元気に過ごせる水温であれば特に問題ありません。
水質も換水を定期的にやっていれば特に注意する必要はないですが、酸性に偏りすぎると貝殻が溶けやすいため、余裕があればpHは測って、水質が酸性に偏りすぎていないかはチェックしましょう。水質のチェックは専用の試験紙でできます。
ひっくり返っていたら起こしてあげよう
石巻貝はたまに画像のようにひっくり返っていることがあります。実は石巻貝はこの状態から、自力で起き上がれません。
このままではエサも食べれなかったりで死んでしまうこともあるため、ひっくり返っている石巻貝を見かけたら起こしてあげましょう。
石巻貝の卵は壁に産みつけられる
石巻貝の卵は水槽の壁や岩、水草や流木などにあらゆる場所に産み付けられています。
同じ貝類でも『タニシ』は、卵ではなく稚貝をそのまま生み出すのでタニシとはまるで違う産卵、繁殖をします。またサカマキガイも産卵はしますが、卵自体は透明なゼリー状なので産みつけられても目立ちません。
あらゆるところに卵を産むので、石巻貝は注意深く観察しましょう。
石巻貝の卵は孵化しない
野生の石巻貝はメダカやタニシと違い、淡水のみで一生を過ごすわけではありません。
特に孵化したばかりの稚貝のときは、淡水と海水の混ざった『汽水』と呼ばれる水域で生育します。そのため通常の飼育環境(淡水)ではほとんど孵化しませんし、孵化したとしても石巻貝の稚貝は成長できません。
石巻貝の卵の除去について
石巻貝の卵を食べてくれる生き物はいない
石巻貝の卵は孵化しないため産みつけられるとそのままずっと水槽のカベなどについたままです。メダカなど他の生き物が食べてくれるならそれも良いですが、あいにく石巻貝の卵を食べる生き物はいないです。
僕の水槽も、
- メダカ
- ミナミヌマエビ
- ヤマトヌマエビ
- シマドジョウ
がいますが石巻貝の卵を食べることはありませんでした。
石巻貝の卵はこすって除去するのが確実
そのため、産みつけられた石巻貝の卵をどうにかしたいなら人為的に取り除くしかないです。ちょっとしたコケくらいであれば指でこすればすぐに取り除けますが、石巻貝の卵はそうもいきません。
スクレーパーを使ってこすると取り除けるのでオススメです。
逆に擦るなど何もせず放置してれば、石巻貝の卵はずっと残り続けます。
石巻貝が卵を産むかは水質次第?
水槽の水の水質にはいろんな指標がありますが、その中に『硬度』と呼ばれる指標があります。
「硬度(こうど)」とは、水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの量を、炭酸カルシウムの量に換算して数値で表したものです。
水の「硬度」とは何ですか?生活協同組合ユーコープ
いわゆる『ミネラル分』の話で、石や砂利が入っている硬度が高い水のほうが石巻貝には適していて、産卵もしやすいです。
逆にソイルや流木が多く、石や砂利が少ない環境だと硬度が低くなりやすく石巻貝が産卵しづらくなります。硬度は試薬を使うことで測定することができますので、石巻貝を飼うときは、一度硬度を調べてみましょう。
水質次第では卵を産ませない工夫も可能ですが、初心者は難しいかも…。
(ガチ勢向け)
石巻貝は飼いやすい!卵に気をつけよう
石巻貝の特徴
- コケ取りの効果が高い
- メダカやエビなどとの相性は問題ない
石巻貝の注意点
- 卵は産むが孵化しないため、卵が残り続け景観が悪くなることもある
- 寿命が1年くらいのため、長期的に買うには向かない
このように卵という点で見ると、少し面倒な石巻貝ですが水槽の中のコケを取る点ではかなり効果の高い生き物でもあります。石巻貝は寿命が1年ほどなので、数年にわたる長期の飼育は難しいですがコケ取りなどで水槽の景観を保つことには優れています。
水槽内をキレイに保ちたいかたにはオススメですね。